以上の関係から、これだけでは大きさはわかるがその方向は表現できない。ベクトル図法なら大きさと方向の二つの要素を含んでいるから問題はない。そこで、数学的にこれを表現するには複素数を導入する必要がある。複素数について説明すれば次のようである。
図6・11
図6・11においてAなるベクトルを数学的に表現するには
となる。
これを複素数という。この場合aを実数部jbを虚数部という。そして、絶対値
である。
(1)jの意義
以上述べたように、ベクトルは大きさと方向の二つの要素をもっているので、このjを導入したほうが、電気の理解を解くのに便利であることを1893年現アメリカのスタインメッツが発表し現在に至っている。
これは、図6・11のようにx−yの直交軸においてx軸方向を実数、y軸方向を虚数にとる。この虚数にはjを付ける。これによって複素数が完成し、前記のとおり、数学的にベクトルの表示ができる。
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